ドラムを叩くのに、必要不可欠なドラム・スティックはドラマーが一番初めに購入する機材と言っても過言ではないアイテム。しかし、いざ購入しに楽器店へいくと何十種類ものスティックがずらり…「種類がありすぎてどれを選んでいいかわからない」という事に。そこで今回はスティックの素材、チップ形状、サイズについてお話していきます。スティックを選ぶときの参考にしてください。
素材の種類
ヒッコリー
北米原産のクルミ科の樹木。衝撃や曲げ強くバットやスキー板にも使用されるほど耐久性がある。最もポピュラーな素材で、ドラム・スティックの大半をヒッコリーが占めています。適度な重さ、堅さが特長で、非常に扱いやすくオールジャンルに幅広く使えます。
オーク
落葉樹であるナラ(楢)の総称。加工しやすい種が多く、ヨーロッパや北アメリカでは家具やフローリング、ウィスキーやワインの樽の材料などに広く使われている木材。ウッド素材のドラム・スティックの中で最も硬く、質量があるのが魅力。堅くて重いのが特長で、折れにくく耐久性も抜群!非常にパワフルなサウンドを鳴らせるのでロックなどの激しいジャンルに適している。
メイプル
モミジとも呼ばれる楓の木。建築材、家具、ボウリングのレーンやピン・楽器に使用される木材。
非常に軽く、少し柔らかいのが特長で、繊細なコントロールをしやすくジャズやクラシック系のドラマーに人気がある。
合成素材
ウッドスティックの数倍もの耐久性を誇る人工素材。素材の性質上個体差も少なく、湿度や温度等環境要因での音の変化も起こりづらい点が魅力。
サイズ
スティックの太さや長さは様々。まずはスティックを握ってみて、その時に「ちょっと太いな」「ちょっと細いな」とか、「持ちにくいな」と思ったら別のスティックを選んでを繰り返し握り心地が良いものを見つけて下さい。
次に、振ったり叩いたりしてみてください。素振りでもいいですし、お店によっては試打用のパッドが置いてある場合もあるのでそれを叩いてみましょう。何本も振ってみて自分の振りやすい重さや大きさのものを探してみてください。
サイズ表記
5A:長さ390-410mm、太さ14-15mm程度のサイズ
5B:長さ390-440mm、太さ14.5mm以上のサイズ
7A:長さ350-410mm、太さ13-14mm程度のサイズ
※メーカーにより表記方法は様々だが「数字+アルファベット」で表記されていることが多い
チップの形と素材
チップとは、スティックの先端部分を指します。
主にドラムのヘッド部分や、シンバルの演奏に使用する箇所で、種類や形状により音色にも変化が出ます。

①ナイロンチップ
チップ部分のみナイロンでできているもの。アタックがタイトでシンバルの音が鮮明になります。
②卵型
楕円形に近く、叩く角度によって演奏時の音色に変化をつけやすい形状。音のバラつきも少なく演奏しやすいため様々なジャンルで活躍。
③俵型
丸型よりも少し四角い形状となっている形状。音量が出やすいので、コントロールと音量のバランスがとりやすい。
④丸型
どんな角度で叩いてもヘッドやシンバルへの設置面積が一定になるため、音粒がそろいやすいのが特徴。
⑤三角型(円錐型)
角度により接地面積が大きく変わるので、叩く角度で音色を変えることができる。ジャズなどでライドシンバルを刻む場合、音色の変化を出しやすい。表現力が高い分、コントロールする力が必要。
あくまでスティックは消耗品なので、最初はチップや材にこだわらず、振りやすさやコントロールのしやすさなど、自分が一番やりやすいと思ったスティックで練習を始めるのが一番いいと思います。